「パンケーキを毒見する」(映画感想)
「新聞記者」「i 新聞記者ドキュメント」などの社会派作品を送り出してきた映画プロデューサーの河村光庸が企画・製作・エグゼクティブプロデューサーを務め、第99代内閣総理大臣・菅義偉の素顔に迫った政治ドキュメンタリー。ブラックユーモアを交えながらシニカルな視点で日本政治の現在を捉えた。秋田県のイチゴ農家出身で、上京してダンボール工場で働いたのちに国会議員の秘書となり、横浜市議会議員を経て衆議院議員となった菅氏。世襲議員ではない叩き上げの首相として誕生した菅政権は、携帯料金の値下げ要請など一般受けする政策を行う一方で、学術会議の任命拒否や中小企業改革を断行した。映画では、石破茂氏、江田憲司氏らの政治家や元官僚、ジャーナリストや各界の専門家に話を聞き、菅義偉という人物について、そして菅政権が何を目指し、日本がどこへ向かうのかを語る。さらに菅首相のこれまでの国会答弁を徹底的に検証し、ポーカーフェイスの裏に隠された本心を探る。(「映画.com」より)
コロナ前は、TBSラジオの「session」を家事しながら聴いて、名物の「国会論戦珍プレー好プレー」とかも聴いて半笑いになったりしたんですけど…最近は、国会議員の話題を見たり聞いたりするだけで「あ~あ」という気持ちになって、遠のいていました。
この作品は、観る側がどういうスタンスかで、評価が大きく分かれると思います。
プロパガンダではないなあ・・・風刺映画。それも大変に分かりやすい。今の菅内閣(とその前の安倍内閣)を徹底的に嗤いこき下ろしている。
その構成は正直あんまり上品じゃないし、途中に挟まるアニメーションやイメージ映像もTVバラエティっぽい…
だけど、今の政治がこんなにボロボロなのは何故か?という流れから、マスメディアの及び腰と日和見、そして、そんな政治やマスメディアに文句を言わず、何かあってもすぐに忘れてしまう羊(=我々)の責任を問われる内容になっていきます。
もう政治に興味を持つのがバカバカしい…と目を背けていた、まさにその気持ちが今の政権からしたら思うツボなのだ、ということは、何となーく気づいてはいたけど、やっぱりそうなんだろうなあ。
とにかく投票率が上がらんことには現状は悪くなる一方なんだろうな、と。
YOGAをやっている身としては、このカリ・ユガ(一言で言うと「世も末!」)の時代に相応しいグダリっぷりで、現状を受け入れるしかない、という気持ちが大きいのですが。
それでも、受け入れながらも自身の努力で何とかしようという気持ちは持ち続けないといけない、と気づかされました。
内と外は合わせ鏡だから、世の中がグダっているのは、自身の中にも同じものがある筈。
菅さんや安倍さんに対してどうこうとは思わないけど…思ったところで何の意味もない。何も生まれない…けどまあ、ああいう大人になりたくはないと思います。
逆に、共産党の小池晃氏の質問やインタビュー映像は、「i 新聞記者ドキュメント」の時と同様、実に爽快で小気味良い。
でもこれも相対的な印象で、本当は至極当たり前のことを言ってるだけ。なのに一筋の光のように思える。掃きだめの鶴感よ…!
政治に少しでも興味を持つきっかけとしては、面白い作品。
私が観た回では、菅さんのボロボロの答弁シーンで結構な笑いが起きてて、その後の安倍さんの演説シーンでも失笑が湧いておりました!
みんなで「おいおいおいおい待てやオイ」みたいな、軽い総ツッコミ状態。なかなかな面白空間でしたよ!
やっぱり、今の政治情勢に「何か」を思っている人達が劇場に足を運んでいるんてしょう…そりゃそうか、関心ない人はお金払って観には来ないですよね。
ちなみにタイトル、「毒味」ではなく「毒見」であっています。毒見するのは誰?と考えるとタイトルの意味も味わい深いと思います!
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