「ベルファスト」(映画感想)

今年のアカデミー賞脚本賞受賞作品。モノクロのチラシが印象的で、ケネス・ブラナーが監督だとか、アカデミー賞にノミネートされている事とかは後から知りました。

1969年、北アイルランドのベルファストが舞台で、ケネス・ブラザーの自伝的なお話なんだそうです。カトリックとプロテスタントの分断から主人公一家は抗争に巻き込まれていくんだけど、その合間には家族や学校での暖かい交流があって…というストーリー。

序盤から起こる、プロテスタントの武装集団の、街のカトリック住民への攻撃シーンが、ロシアのウクライナ侵攻を連想させて、胸が苦しくなったんですが…

でも、そんな厳しい状況下を生きた少年と家族の描写が何ともユーモラスで、何よりキャストが皆すっごく魅力的!少年は素晴らしくチャーミングだし、あと、名優ジュディ・デンチが出ててびっくりしました。この人は出番が多かろうが少なかろうがいつも本当に強烈な印象を残す…

家族で映画を観に行くシーンが何度かあって、「真昼の決闘」とか「チキチキ・バンバン」とか、あとラクエル・ウェルチやジョン・ウェインの映像も出ました。台詞の中にもアステアやロジャースの名前が出てきたりして(あと、「七人の愚連隊」観に行きたい!なんて台詞も)監督のケネス・ブラナーが子どもの頃に接してきた映画なんだろうな、シェイクスピア俳優と言われてるけど、幼い頃はこういう大衆文化の中で生きていたんだな、と知りました。

ロンドンに出稼ぎに出る父は、家族一緒に暮らすために皆でロンドンに行きたいと思っている。母は、自分達はベルファストで生まれ「ずっとここで生きていく」と譲らない。

…自分が生まれ育った土地を愛する、「郷愁」がこの映画のテーマの1つだと思うんだけど、こういうのも、今、戦争や紛争が起きている地域が沢山あって、住んでいた場所を追われる人達が大勢いる、ということを思うと本当に堪らないというか…大きな決断を迫られる時に、自分は何を優先させるだろうか、ということをじんわり自問しながら観てました。

モノクロのパキッとした映像がとても美しい。そして、少年と、中盤から出てくるお姉さん格の悪友との会話のラリーがめちゃくちゃ小気味良くて子どもらしくてリアル!

他にも所々、すっごく面白いシーンがありました。小さなエピソードが紡がれて、観終わった後は、気づいたら自分も、子どもの頃の記憶を辿っていました…。

ゆとりらYOGA

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