「エルヴィス」(映画感想)
公開早々に観たのですが感想をまとめきれずにいました。でも日にちが経っても感動が薄れないので書きます!
幼い頃、TVのバラエティー番組で西田敏行がエルヴィス・プレスリーのコスプレ(例の白いジャンプスーツ)でスタンドマイクを振り回すモノマネをしてたのが私のエルヴィス原体験(?)。
※当時の西田敏行は当然のことながら若手で、俳優というよりコメディアンみたいな存在でした(「池中玄太」前の話です)。
エルヴィスの歌はちゃんと聴いたことがなくて、映画も観たことない。ただ、MGMの「ザッツ・エンタテインメント PART3」のラストで「監獄ロック」(1957)の1シーンが出て来ていて、カッコいいな~と思ってました。このカバーは「ブルース・ブラザース」(1980)のラストで歌われています。
スーパースターではあったんだろうけど、1番良い時の映像を見る機会がなく、興味もそんなにはなかった。
今回観に行ったのは、ミュージカル映画だから!それから、バズ・ラーマン監督作品だから!
「ロミオ+ジュリエット」
「華麗なるギャツビー」
「ムーラン・ルージュ」
どれもギンギラでゴージャスで、振り切ってる感じが好きです。どれもド派手な舞台みたいでアガります!
「エルヴィス」はムーラン・ルージュによく似た金ピカ仕様。
主役のオースティン・バトラーが素晴らしかった!顔の輪郭や体格が本人よりも細い印象ですが、暗い目元とか唇に、ぐいぐい引き込まれてしまう…
もう1人の主役、マネージャーのパーカー大佐を演じるのは、安心と信頼のトム・ハンクスさん!
この2人の蜜月から共依存関係に陥るプロセスがとにかく怖い。
エルヴィス、逃げてー!って何度も叫びたくなるほどパーカー大佐は鬼畜なわけですが、巨額のお金と互いの思惑との三つ巴、そこにエルヴィスの妻(のちに離婚)も加わって、もうなにがなにやら…な、制御不能状態になっていく。
晩年のラスベガスのショーは、ロングラン、と言えば聞こえは良いけど、いつ終わるか分からない無間地獄状態だったようです。
敬虔なクリスチャンで、自分に与えられた才能に感謝し、母親想いで、家族や取り巻きを大事にする「善き人」として描かれているけれど、自分の内なる声に従うことが出来なかったんだろうな、と思いました。
俄然興味が湧いて、今評伝を読んでます!
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