「響け! 情熱のムリダンガム」(映画感想)

ムリダンガムという楽器、初めて知りました。予告編を見て、主人公がバブちゃんぽくて可愛いなあ、だけど「セッション」みたいな話だったらちょっとキツイなあ…なんて思いながら鑑賞。


前半はコメディ、中盤からはスポ魂とラブコメ要素多し、後半からはカースト制度に触れ師資相承を描き…とてんこ盛りな内容でした。

主人公(ピーター)の家族はキリスト教の信者で、他にムスリムも出て来ます。だけど、彼が惹かれたムリダンガムは古典音楽・・・ラーマへの讃歌とか、いわゆるヒンドゥー教の歌で、そこのところが最初は「?」という感じでした。

ピーター・ジョンソンという名前もインド人らしくないし、ちょっと不思議、と思っていたんですが、後半、彼が父親と共に故郷を尋ねるシーンで、何となく見えてきました。

ピーターの父親はカーストのかなり低い階層の出で、それを隠してチェンナイでムリガンダム職人をしている様子。

父親の本当の出自は、その職人よりもさらに低い様子(不可触民)が描かれます。

ムリガンダムというのは縦長の太鼓で、故郷では、貧しい人々が山羊や牛や水牛の皮をなめしていて、これは日本の同和問題とも共通するんじゃないかなと思いました。

親がそういった出自であることから、家族がキリスト教信者であったり…ピーターはそう信心深くはなさそうだけど、しっかりロザリオをつけているし…親はピーターには会計士になって公務員になってほしいと期待をかけます。ピーター自身は映画スター、ヴィジャイの大ファンだったり、ある女の子を追いかけまわしたりと、陽気でリア充な学生なんだけど。

多分ピーターという名前をつけたのも(なんなら名字も)、両親はチェンナイに出て来て、それまでの過去を捨てたのではないかと解釈しました。

キリスト教徒で、ヒンドゥー聖典も古典音楽も学んだことがないピーターが、ムリガンダムに魅かれて、インド古来の学び方でグルに師事し成長していく…その成長譚がとても感動的でした。

正直、いろいろ盛り過ぎな感じはありますが、ラストの盛り上がりと爽やかさで全部吹っ飛びます!すっばらしい!

エンタメ系のインド映画の特徴として、悪役がとことん憎々しい、というのがあります。マンガっぽいというか。変に小難しくないのが良いと言えば良い、でもちょっと笑っちゃう。

今回も、どうしようもないなコイツ…というヒールが出てくるんですが、でも、最後はちゃんとその憎たらしさが昇華されてて、それも良かった。

演奏シーン、群舞、後半のPV風映像…全編、音楽がとても素敵です。それからピーターのテーマカラーらしきターコイズブルーが凄く効果的に使われていて印象的でした!

ゆとりらYOGA

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