「パブリック 図書館の奇跡」(映画感想)


元ブラッド・パック、元アイドル!のエミリオ・エステベス脚本・主演・監督作品。

フライヤーを見た時からすっごく楽しみでした。

「ブレックファスト・クラブ」「レポマン」などで知られる俳優で、「ボビー」「星の旅人たち」など映画監督としても活動するエミリオ・エステベスが製作、監督、脚本、主演を務めたヒューマンドラマ。オハイオ州シンシナティの公共図書館のワンフロアが約70人のホームレスたちに占拠された。記録的な大寒波の影響により、市の緊急シェルターがいっぱいで彼らの行き場がなくなってしまったのだ。彼らの苦境を察した図書館員スチュアートは図書館の出入り口を封鎖するなどし、立てこもったホームレスたちと行動をともにする。スチュアートにとってそれは、避難場所を求める平和的なデモのつもりだった。しかし、政治的イメージアップをねらう検察官やメディアのセンセーショナルな報道により、スチュアートは心に問題を抱えた危険な容疑者に仕立てられてしまう。エステベスが主人公のスチュアート役を演じるほか、アレック・ボールドウィン、クリスチャン・スレイター、ジェフリー・ライト、ジェナ・マローン、テイラー・シリングらが顔をそろえる。(「映画.com」より)


エミリオ・エステベスだけじゃなくて、こちらも元青春スターで、だいっ好き!だったクリスチャン・スレイターも出てて、しかもこの作品では、ただ1人の超!ヒールでした(他の悪役はそれぞれまだ葛藤や救いがある)。

若い頃はとにかくやんちゃでワル、というキャラでしたが、年いってすっごくアクの強いバイプレーヤーになった印象。脇役になっても大好きなのは変わりませんけど!

タイトル通り、舞台は図書館の中。

大きくて広々とした公共図書館の中で過ごす、行き場のないホームレス達と、そんな彼らへの理解と、図書館員という立場との間で逡巡する主人公の一昼夜が、メインストーリーです。

大寒波でシェルターは満員、ホームレスの凍死者が出ているというのに、行政は「法と秩序」を盾に、一晩図書館に泊めてくれという彼らの願いを却下…という非常にシビアなお話なんですが、全体的におっとりゆるっとした構成で、所謂「畳みかけ」的な演出が殆どないのが印象的。

銃声も流血も殆どない…それだけに、後半の、素手での暴力シーンが強烈に残ります。

そして、暴力をふるった若者の気持ちをも想像できるような脚本に感動しました。

エステベスすごい!!

図書館といえば、エステベスがブレイクした、「ブレックファスト・クラブ」もハイスクールの図書室が舞台だった。

ホームレス達が、気持ちがあふれ出して閲覧机の上で踊り出しちゃう場面があって、ああ、似たようなシーンがブレックファスト~でもあったなあ…あの時は高校生の彼らがパッションを爆発させたシーンだったなあ…なんて思い出して。

知の象徴のような場所、図書館で、抑えられない感情を身体で表現する、という演出に心が震えます…

人として、心豊かに生きていくには、知識と熱量、どちらも大切なんだと教えてくれているように感じました。


去年公開された「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」というドキュメンタリー映画もすっごく良かった。


洋画に出てくる図書館の、広いロビーや天井の高い書架…大好きです。

「薔薇の名前」は中世のお話で、舞台の修道院の図書室は薄暗くて巨大な迷路みたいで、本を写字する修道士達がいて…そういえば、この映画には、子役時代のC.スレイターが重要な役で出てます!


この「パブリック 図書館の奇跡」は、そのストーリーから、日本では、解説と共に福祉や共同体関連のトーク映像が複数YouTubeに上がっています。

それだけ問題提起性の高い作品だと思うんですが、でも決して暗くはないです。
ニヤニヤできるシーンも沢山!

「公共」という言葉をもう少し深く知りたい、と思わせてくれる作品でした。

ゆとりらYOGA

兵庫県西宮市の自宅スペース他、あちこちで、ヨーガ療法を主体にした YOGAをお伝えしています。 お問合せは、下のメールフォームか、 yutorelayoga☆gmail.com(☆を@に変えて下さい) までどうぞ。

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