「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」(映画感想)
2012年、リオデジャネイロで開かれた国連会議にて、現代の消費社会を痛烈に批判し人類にとっての幸せとは何かを問うたウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ。その感動的なスピーチ動画が瞬く間に世界中で話題になったことで、田部井監督は当時ディレクターを務めていたテレビ番組で彼を取り上げることに。ウルグアイへ渡った田部井監督は一度も日本に訪れたことのないムヒカが、日本の歴史や文化にとても詳しく、尊敬していることに驚かされる。なぜ、ムヒカは日本のことをよく知っているのか? その後、田部井監督はその疑問の答えを突き止める為に何度もウルグアイへと渡り、大統領退任後のムヒカへの取材を重ねる。そして、ムヒカの言葉に心を動かされた田部井監督は多くの日本人にムヒカの言葉を聞いてほしいと願うようになり、 ムヒカも訪日を熱望。絵本の出版社の協力を得て、彼の来日が実現する…。(「Cinemacafe.net」より)
ホセ・ムヒカ元大統領の国連スピーチがじわじわと話題になっていたことは、当時ネットで知りました。
あれから時間が経っているせいか、複数の友人にムヒカさんの映画観てきた、と言っても「?」という反応が多く、実際映画館はかなり空いていて、年齢層は結構高め。
実は私、勘違いをしていて、コロナ禍前に公開された「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」かと思って観に行ったら、それとは別映画だったのでした。
↑ややこしい…
今回観たのは「~日本人へ」とついている通り、日本人の監督が撮った日本制作の作品。
ムヒカ元大統領のことはスピーチしか知らなかったので、革命戦士で、チェ・ゲバラと何度か会ったことがあるとか、何度も投獄された過去等は初めて知りました。
幼い頃、近所に日本からの移住者達が花を作っていて、彼らとの交流で花づくりを学んだり、また、日本人が真面目で勤勉であることなどを知り、日本との縁を感じていることなども…
映画の後半は、妻のルシアさん(この方も政治家)と共に、日本に招待されて、都心だけでなく、広島の平和記念資料館を訪れる様子が映し出されます。
この時80歳。地球のほぼ裏側からの来日!
そして、東京外語大での若い人達向けの講演が、とても力強く、次の世代へ希望を託そうとする言葉が感動的でした。
ムヒカ氏とルシアさん夫妻は、若い頃から過激な政治運動に身を投じていたため、子どもを持つことが出来なかった。
「だけど、こうして日本に呼んでもらって、沢山の若い人達と話ができるなんて嬉しいよ」と…。
「君が何かを買うとき、お金で買っているのではない。お金を得るために費やした人生の時間で買っているのだ。」
という言葉もとても響きました。
行き過ぎた今の消費社会を、ただ嘆くのではなく、自分ができるところから実践していきたいと思わせてくれる言葉。
フジテレビ制作のようなので、ひょっとしたら映像は殆どTVで放映済みなのかもしれません。でも、自分には初めて知ることばかりで、映画館で観られて良かったと思います。
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