「いつか来る死」(読書感想)

以前観たドキュメンタリー映画「人生をしまう時間(とき)」で知った、小堀鴎一郎医師と糸井重里氏の対談とインタビュー集。

新聞の書籍広告に、購入特典で、このお二人(プラス写真撮影の幡野広志氏)のZoomでのオンラインイベントに参加できるとあったので、思わず紀伊国屋書店で購入。

小堀先生の本は、「人生をしまう時間」を観た後すぐに「死を生きた人びと 訪問診療医と355人の患者」を読みました。ルポルタージュと学術書の間のような内容で、難しかった…。


この新刊は、糸井氏と小堀先生、という、一見、どこに共通点が?みたいな取り合わせなんですが、お互いにちょっと皮肉めいたところとか、糸井氏がよりPOPに表現しようとするのを小堀先生がニヤニヤしてるような感じが伝わってきて、面白かったです!

そして、小堀先生の言葉は本当に一つ一つ示唆に富んでいて、響く…

自己犠牲の精神で仕事ができるのは立派だと思いますが、それは極めて稀な存在ですよ。そういう人たちをスタンダードとして、みんなに強いるのはとんでもない話です。(P40)

ちゃんと生きてない人は、ちゃんと死ねないんですよ。死ぬときになって急に自分が生きてきた軌跡を立派にはできないから。それはいいわるいの話でもありません。すべての人が立派な生涯をおくるわけじゃないので。(P51)

死は我々の思い及ばない世界でできちゃっている。それはたしかです。(P116)

全体的に本のテイストが糸井風というかほぼ日っぽいというか…ひらがなが多かったり、おしゃれで(物理的重量が)軽いんだけど、それでも小堀先生の言葉は重くてまっすぐにこちらに届く。

こんな言葉もありました。

この仕事をしていると、人それぞれにカルミネーション(“culmination”最高点、頂点、極致)というものがあるのだなと実感します。(P52)

この後、いくつかの事例が続くのですが…


病気になってから、死の間際になってから、このカルミネーションを発揮する人をたくさん見てこられたんだろうなって思います。

大金を稼ぐとか世間的な評価を得るというようなこととは別種の、最高点を経験できる人はきっと幸せだろうなあ、と。

ゆとりらYOGA

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