「マディソン郡の橋」(映画感想)

たった4日間の恋に永遠を見いだした中年の男女の愛を描いた、大人のラヴストーリー。原作は、世界中でベストセラーになったロバート・ジェームズ・ウォーラーの同名小説(邦訳・文藝春秋刊)。映画化の争奪戦が繰り広げられ、監督や主演者の候補にさまざまな名前が挙がった。一時はスティーヴン・スピルバーグが監督と報じられたが、結局、監督・製作・主演の3役を「パーフェクト・ワールド」「許されざる者(1992)」のクリント・イーストウッドが兼任して映画化(スピルバーグ主宰のアンブリン・エンターテインメントとイーストウッドのマルパソ・プロの共同製作)。相手役にはメリル・ストリープを迎え、二人の共演が見もの。脚本は「フィッシャー・キング」のリチャード・ラグラヴェネス。製作はイーストウッドと、「コンゴ」のキャスリーン・ケネディの共同。共演は「マルコムX」のアニー・コーリー、「理由」のヴィクター・スレザック、「アルカトラズからの脱出」「スリープウォーカーズ」のジム・ヘイニーら。キネマ旬報外国映画ベストテン第3位。(「映画.com」より抜粋)


1995年製作で、当時は特に観たいとは思いませんでした。

映画化の前に、原作が日本でも大流行していたので、なんとなく、どういう話かは知っていました(読んではいない)。

クリント・イーストウッドが中年の不倫話の映画撮るなんて、意外~…と思ってスルーしたんだと思います。


で、四半世紀たった今、映画館で初見。ありがとう午前十時の映画祭!


お話は大体想像した通り…で、正直中盤くらいまではちょっと半笑いで観てました。

M.ストリープの、いろんな意味での飢餓感すごいなあ、あからさまだなあ、と。

で、イーストウッドは迫られるばっかのモテ男じゃん!これ自分で監督してんのになんなんw?と


ですが、2人の時間が終わるあたりから、それまでの少々べたついた描写は全部このためにあったのか!というくらいの昇華した展開になっていきます。


M.ストリープの葛藤の演技がすごい…!イーストウッドを愛する気持ちを、ただ、ここではないどこかへ、という逃避思考と思い込もうとする描写があり、息苦しくなるほどでした。


M.ストリープ…私あまり好きじゃなくて、この人が出てるから観よう、と思ったことはないんですが、でも「クレイマー・クレイマー」とか「恋に落ちて」とか「ハリウッドにくちづけ」とか、観ると結局彼女に目が行ってしまう。凄く印象に残る。すごいなあ!


「マディソン郡の橋」は旅する中年(というか初老)のジャーナリストと、ごく普通の主婦が、ふとしたことから出会い、2人だけで4日間を過ごし愛し合う、というお話。


今の自分は、「こんなことになったらかなわんし、経験したくはない」と思うけど、「こうなっちゃったら抗う自信がない」という人の気持ちは分かる。分かりたいと思う。

不倫とか浮気とかって、自身の足元の幸福が揺らぐと、そこをめがけて一気に撃ち込まれるようなイメージがあります。その破壊力が大きいと再生は難しい。気づいたら荒れ地に一人、という可能性だってあるし。

だから結婚してても、してなくても、自分がぐらついているときには、他人に介入してもらわない方が良いのでは?と私は思います。

勿論、友人の助けや慰めが必要な時もあるだろうけど、ぐらついてる時、弱っている時って依存度が高まるし、何より客観視が出来ないんですよね。

この映画の中でM.ストリープ扮するフランチェスカは、客観視…というかとにかくギリギリまで理性、冷静さを保とうと努力します。それまでの苦悩の分だけ、4日間の思い出を来世まで持っていくパワーを蓄えたかのような展開です。

それが正解なのかどうかは分からないけれど、お話としてはとても美しい。

映像もとても美しい。やっぱり名作だなあと思います。

ゆとりらYOGA

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