「ファーゴ」(映画感想)
1996年の作品。コーエン兄弟好きなんだけど、何故かこれは観たことありませんでした。
去年「ノマドランド」を観て、主演のフランシス・マクドーマンドがあまりに素敵で、あれ?この人「スリー・ビルボード」にも出てたよなあ…そこから遡って、この「ファーゴ」。
「午前十時の映画祭」で、初めてコーエン兄弟のこの作品を取り上げてくれたので、大画面で観ることが出来ました。
すっっっっごく面白かったです!!
そしてやっぱりF.マクドーマンドは凄かった…登場人物の中で、彼女と夫だけが真っ当で、あとは皆クズ過ぎる…悪党オールスターズという感じ。
ある男の下衆な悪だくみに端を発する、暴力の流血の連鎖。ほんの小さな悪事があれよあれよと雪だるま的に大きくなって、実際、真冬のミネソタ州(タイトルのファーゴ は隣のノースダコタ州らしいのですが、舞台のほとんどはミネアポリスとブレーナード)の大雪の中で悲劇が続く…。
昔から大好きだったスティーブ・ブシェミがとても「らしい」役で凄く良かった。悪役の中では、この人は比較的まともだな、と思ってたら途中から狂い出す。
あと、何と言ってもこの人の風貌最高ですね!!
「レザボア・ドッグス」「ゴーストワールド」大好きでした。
F.マクドーマンド扮する警察署長マージは、臨月が近いにも関わらず、冷静に捜査を続ける。
その合間には、穏やかな夫ノームとの抱擁や、一緒に食事をとるシーンがあって、この食べるシーンがめっちゃ美味しそう…ハンバーガーをぱくぱく、ブッフェでお皿にてんこ盛り!
しっかり食べて、感謝と愛情をきちんと言葉で伝えて、新しい命を授かる…地味だけど、地に足のついた日々の営みは、欲と金に惑わされる男達の対極として描かれています。
大きなおなかで、雪の中で足元に気をつけながら歩くマージから目が離せませんでした。
そしてとにかく全編寒そう!部屋の中でさえも吐く息が白い。
真っ白な雪と鮮血…遠景と暗闇が多いカメラワークで本当に凍えそう…だけど話の転がり方が「あわわわっ」って言ってる間にぐちゃぐちゃになってきて、本当に寒くて冷たくて面白かった!
26年前の名作。「午前十時の映画祭」ありがとう。
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