「ゴヤの名画と優しい泥棒」(映画感想)
ヘレン・ミレンを大画面で観たいと思ったのと、予告編観て、地味だけど何だか面白そう…と思ったのですが、気づいたら終わってた😱
でもでも、塚口サンサン劇場は、私が見逃した作品をキモチいいくらい的確に救い上げてくれる!ありがとうサンサンさん!
これ、実話だそうで、何だかいろいろうまくいき過ぎて、冗談みたいな展開のお話。
だけど、軽快な話運びの中に、イギリスの階級や男女差別、高齢者問題などがぎゅっと詰まってて、そんな社会の問題と並行して、家族との別れ、夫婦の決裂や和解も描かれて…
てんこ盛りな内容だけど、ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンが扮する主人公夫婦が素晴らしくて、全部心にちゃんと残る!
それにしてもヘレン・ミレンは、「クィーン」ではエリザベス女王を演じたのに、今回は、家政婦として這いつくばって暖炉を掃除したり、BBCの受信料を払う為に瓶を逆さにしてへそくりの小銭を出したり。凄い…貧しいけど凛としてて、だけど哀しい高齢者。
(そしてこの映画では、エリザベス女王の夫君、フィリップ卿がちらりと出てきた!)
ジム・ブロードベントの「蒼くてめんどくさい理想主義のおじいちゃん」っぷりも素敵でした。
ストーリーも素晴らしい。そしてキャストがその面白さをより引き立てていると思います。
原題「THE DUKE」は、ゴヤの絵のタイトル「ウェリントン公爵」のことらしいんだけど、「ゴヤにしてはたいしたことないな」とか言われてるのが何とも痛快。
こんな絵に税金使うなら他にもっと使うところあるだろう!…ってどこかの国と同じですね。
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