「キングメーカー」(映画感想)
韓国の政治問題を扱った作品…という情報だけで観たのですが、すっごい傑作でした!
最初に「事実に基くフィクション」と出て、ラスト近くに、ああ、これは金大中(キム・デジュン)元大統領の話なのか…と気づきました。
韓国の政治家や政界の歴史には全く詳しくないけれど、私の年代だと、金大中氏が投獄され死刑宣告を受けたり、釈放されたり、という一連の事件が記憶にあるので。
この金大中氏をモデルにした政治家キム・ウンボムの選挙参謀だった、影の存在(ソ・チャンデ)を演じるイ・ソンギョンという人。漫才師「キュウ」のぴろさんに酷似してて😶
「いやいや、ぴろやん…ww」と最初のうちは内容がなかなか頭に入って来なかったのですが🥵
どんどん引き込まれていって、観終わった後「ああ、イ・ソンギョン良かったなあ~」とネットで調べたら、何とこの方、「パラサイト 半地下の家族」でお金持ちのご主人を演じてた人!全然印象が違う!
政治家役は、ソル・ギョングという人。見たことあるようなないような…とこちらも調べたら「オアシス」の主演の人だ…!これも凄い話でした。素晴らしかった!20年近く前の映画で、その時は前科者の役でした。今回は大統領を目指す清貧の議員…大出世!
後半、この政治家が、大統領選に立候補する為の党内での駆け引きが目まぐるしく、こういう時に瞬時に判断を下す…カードを出すタイミング1つで、全てがひっくり返る様子にドキドキしたし、どんなに精錬な理想を掲げた政治家でも、その理想の為に相手を出し抜く為の緻密な計算が必要なのだと思いました。勘だけじゃダメなんだな…当たり前だけど。
「政治の理想と現実」の中のこの2人の関係性が、泥臭くじっとり描かれていて、めちゃくちゃ見応えありました!
そして終盤、ひたすら影の存在として、巧妙な手段で攻め続けたソ・チャンデの「良心のありか」が描かれていたことが、惨たらしいストーリーの唯一の光になっていたと思います。
0コメント