「その鼓動に耳をあてよ」(映画感想)

東海テレビドキュメンタリー映画です。

予告編を見た時には「緊急医療の現場か…大事故や血が出てきたらきついなあ🥶」と思いましたが、そこは信頼の東海テレビ。観て損はないはず!と行ってきました。

そして当然のことながら「観て良かった!!」と思いました。


名古屋の漁港近くにある掖済会(えきさいかい)病院。そのER(救命救急センター)がじっくり映し出されます…緊張感はあるけど、怒号が飛ぶわけでもなく、本当の現場はこんな風に淡々と、急患を受け入れているんだ、と知りました。
救急車受け入れ台数が年間1万台と愛知県内随一なんだそうです。

主人公の救急科の医師の言葉に
「救急の医者は、何でも診る。この『何でも』っていうのは、性別や年齢のことだけじゃない。その人に背景にある社会を診るんだ。」
というのがあり、その言葉を裏付けるように、ERには本当に様々な人が運ばれてきます。

自殺未遂の人、鼻にどんぐりを押し込んじゃって取れなくなったとギャン泣きする幼児、明らかに健やかな老衰の親をそれを認めようとせず担ぎ込む家族、寒いから暖かいところに入りたかったとやってくるホームレスの人…。

救急医療として対処をしながら、その人がここに来た理由や原因を探っていく。人間関係や金銭問題(医療費を払わず(払えず)未収金がたくさん!)、地域の問題も孕んで、この病院が引き受けている使命の大きさが伝わってきました。

そして、救急科の医師が、内科や外科などのいわゆる専門医よりも地位が低い、という現実も知りました。ERではあくまでも初期治療だけで、その後は専門医に引き継ぐため、「引継ぎ屋」と思われている節もあるらしく💦

現場でそんなヒエラルキーがあるなんて。先生の間でもそんなんあるんですね。そりゃそうか。どんな職業でも立場でも優劣つけたがる人は多いですね。

でも患者にしてみたら、急なけがや病気の時にまず処置してくれた先生に感謝すると思います!

東海テレビドキュメンタリーが凄いのは、どの作品も取材対象がすこぶる人間的で、決して聖人君子じゃないところ。というか、安直に「良い人」に見えるような編集になってないところです。

妙にヘラヘラしてたり、ちょっと険悪な間もちゃんと見せてくれるし…カメラがそういったシーンを映し出す前段階で、がっちりしっかり信頼関係が出来ているんだろうなあ。本当に「こんなとこまで見せてくれるの?」と思う。

映画の後半は、コロナ禍に入ってベッドがどんどん埋まり、受け入れが出来なくなっていく様子が描かれます。切迫してくるとスタッフの様子もピリピリしてきて、でも救急車からの第1報が入ると即座に電話をとる。一瞬の逡巡のうち「とります(受け入れます、の意)」と受話器を置いた後、これ以上は無理、という別スタッフからの発言があり…「ない袖は振れない」という言葉も出て、つい2年程前のことなのに、あのパニック状態だった時期、忘れかけてました。
現場の苦悩をこんな風に見せてもらって、医療従事者の方のご苦労の片鱗がちょっとだけわかった気持ちに👩‍⚕️👨‍⚕️

大阪は、第七芸術劇場
神戸は、元町映画館

で、まだ上映中です。おすすめです!

ゆとりらYOGA

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