ドキュメンタリー映画「オキナワへいこう」を観ました。

大阪府堺市にある浅香山病院の精神科病棟。何十年と長期入院している患者さんがたくさん暮らしている。そのうちの一人、益田敏子さんは、「生涯のうちに一度でいいから、沖縄へ行ってみたい」という夢を語ったことをきっかけに、有志の看護師たちが、その夢を実現させようと動き出す。他の患者に参加を募ったところ、名乗りを上げたのは4人の男性患者たち。いずれも長期入院の人たちだった。

しかし、最初に言いだしたはずの益田さんが、旅行計画が具体化し始めると「私、やっぱり行かない」と気持ちが揺れ動いた。4人のうち3人の男性患者たちは同じ一人の主治医。しかしその主治医からの許可がおりない。なんとか許可してもらえないかと外泊届を出したものの、受理されることはなかった。結局、3人の男性患者たちの沖縄旅行は叶わぬ夢に終わってしまった。精神科では、たかが沖縄旅行、されど沖縄旅行なのである。

益田さんは一時外泊。もう一人の山中信也さんは、この旅行をきっかけに10年の入院生活に終止符を打った。そして3泊4日の沖縄旅行が実現した。浦添市の若竹福祉会で行われている浅香山病院の写真展に招かれ歓迎を受けた。益田さんがよくお母さんと歌った『故郷』をみんなで合唱しようとしたその時、感極まり唄うことができなくなった。
(チラシより抜粋)


予告編を観て興味が湧いたので、観てきました。

監督の大西暢夫氏は写真家でもあって、月刊誌「精神科看護」(←こういう専門誌があるんですね)の取材で、全国の精神科病棟を撮り続けているそうです。

よく、精神の不調や症状って「心が風邪をひいただけ」みたいな表現されるけど、でも身体の風邪よりも症状が一人ひとり大きく違う。
私は、接していて、これは症状?それとも性格?みたいに迷ってしまうことがあります。
だからちゃんとつきあって理解したいなあ、と思います。

この映画に出てくる皆さんは、穏やかでチャーミングで、なんで長期入院してるんだろう?って思うんだけど…こういう人たちが一般社会で暮らしていけない現状ってなんかおかしくない?(ただ、映画では詳しい病名や症状は出てこないので実際のところは良く分らないのですが)

メインキャストの益田さんという女性も、静かで可愛らしくて真面目そうな方。
画面から人柄が浮き出てくる。
彼女が笑うと「あ~良かったなあ」と安心するし、感極まって泣き出すと、もらい泣きしてしまう。
おとなしいんだけど、表情が幼女みたいにとっても豊かで、ああ、魂がきれいな人だなあ、って思いました。

ある男性の患者さんに恋人ができて(イオンで逆ナンされたってのが笑えるんだけど!)、この恋人の「はるみちゃん」が

「誰でも持病持ってるでしょ。だからこの人はたまたまこういう持病を持ってるってだけで。」
って男性にベタ惚れで、もちろん彼もめっちゃ嬉しそうな相思相愛っぷりで、観てて泣き笑いしてしまいました。今もずっと仲良く幸せであってほしいなと思います。

YOGAをしていると、心療内科に通っている人と出会うことも多く、そういった人たちに共通しているのは、皆さんとっても真面目。ずるいとか、ちゃっかりしてんなーってとこがない。

本当なら、とてもサットヴィック(純粋でクリアな心の状態)な人、の筈なのに、ご本人が幸福感を感じられていない、どころか不眠や倦怠感に苦しんでいるのが、本当に痛ましいと思います。

YOGAは自分を客観視する技法なので、精神疾患の方にも効果が高いと思うのですが、上にも書いたように、とにかく症状が千差万別なので、YOGAやってみても良いかなあ、やろうかなあ…というラインに立つまでが大変な方も多いと感じます。

でも思い切ってやってみてほしいんですよね。

誰とも比べなくていいし、誰からも何も否定されない世界がマットの上にはあるから。

この作品、大阪ではもう終わってしまったんですが、自主上映という形で各地を回っているみたいです。

ゆとりらYOGA

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