「クッキングと人生相談」(読書感想)

回答者は、ホームレス状態を経験し、路上で雑誌を売って収入を得、自活を目指している『ビッグイシュー日本版』販売者たち。路上生活という、いわば人生の"どん底"を経験している彼らが心を込めて相談に答えました。そこに、料理研究家の枝元なほみさんが作った「悩みに効く料理」と相談者への応援の言葉が添えられています。販売者の優しく含羞のある回答にウィットあふれるおいしい料理をあわせた、世界にまたとない人生相談でもあります。 (Amazon内容紹介より)

「ビッグイシュー」が日本に上陸した時、とても話題になったので、その頃(今調べたらもう15年以上前)何号か路上の販売員さんから買いました。

「定価350円の雑誌『ビッグイシュー日本版』をホームレスである販売者が路上で売り、180円が彼らの収入になる」という手法はすごく良いと思うし応援したい!

…でも正直言って、内容があまり面白くないなあ…というのが当時の感想で。

だけど、2016年の映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」の主人公がビッグイシューを売っているシーンを見て、この雑誌のことを思い出しました。

で、この「クッキングと人生相談」は、一般の人のお悩みに、ホームレスの皆さんが答えるという内容。枝元なほみさんのレシピも魅力的で、写真見てるだけでも楽しいんだけど(о´∀`о)

ホームレスの方々のお答えが本当に素晴らしい。
あとがきに「下から目線の人生相談」なんて言葉があるんだけど、自虐や卑屈じゃなくて、温かさや、時には本当に心配している様が伝わってくる回答ばかり。

本人のご苦労や過去を悔やむ言葉も時折出てきて、だからこそ、こんなに相談者に寄り添う優しい言葉が出てくるのかなあ、なんて思ったり。

この本、サブタイトルが「悩みこそ究極のスパイス」とついています。

ホームレスの人にとっては、相談者の悩みなどスパイス程度のものなのでは?そんな意味かと思いましたが、読んでいるうちに、何かこう、もっと大局的というか…

資本主義の物質社会ではホームレスは零れ落ちてしまった人、だけど、この本の中では、彼らは相談者を精神面で見事にケアしてくれています。
説教臭さなど微塵もなく、ただ親身になり、自分の経験を語り、励ます。

ビッグイシューを販売して社会的自立を目指す人たちにとっては、ホームレス経験さえも、人生のスパイスに変えることができた、強いマインドの持ち主なのかもしれません。

笑えて泣けました。んで料理も作ってみたい!


ゆとりらYOGA

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