映画「人生をしまう時間」感想

埼玉県新座市の「堀ノ内病院」に勤める小堀鷗一郎80歳は、「在宅死」と向き合うベテラン医師。森鷗外の孫で、東大病院の名外科医だった彼がたどりついた最後の現場が、在宅の終末期医療だった。患者と家族と ともに様々な難問に向き合い、奔走する医師や看護師、ケアマネージャーたち。一人ひとりの人生の終わりに、医療に何ができるのか。映画は、地域の在宅医療に携わる人々の活動に密着し、命の現場を記録した。NHKBS1スペシャル「在宅死 “死に際の医療”200 日の記録」に新たなシーンを加え、再編集をほどこした映画。
(シネマカフェより)


予告編を観ただけで詳しい内容は知らずに観に行ったんですが、あっという間に引き込まれて、中盤からはもう泣けて泣けて…

訪問診療のお医者様たちが診て回るおうちには、それぞれ壮絶なドラマがある。
甘くも綺麗でもない、思いっきりリアルな現実。

そこから、在宅での最期という結末に向かって、家族と本人の「受容」への旅が始まります。
それは、言葉で表されるものではないけれど、ふとした表情や、日々の積み重ねで(きっと無意識のうちに)その準備ができてくる。

この作品に出てくる皆さんは、めいっぱい生きて命を使い切った人達ばかりで、高齢の方ばかりじゃなく、私と同じくらいの50代の女性も、穏やかにこの世を全うして逝きました。

あと、全盲の娘のために、入院を拒み、これ以上ないほど頑張って生き切ったお父さん…本当にこんな美しい顔あるだろうかっていうくらい穏やかな表情で、娘に喉を触って呼吸を確かめられながら最期を迎えました。

誰もが迎える「死」と、その日まで支える周りの人々のチームプレイ。
その主役は自身でリーダーシップをとることができません。
将来その時が来たら、自分だったら耐えられるだろうか。

耐えるも耐えられないもなく、1日1日を乗り切ることに汲々として、最期にはあちらに逝くのだろうけど、それでも「死」に向かうプロジェクトには、自分なりに真剣に取り組みたい。

そしてそのプロジェクトは、この世に生まれた瞬間にスタートしている訳です。
毎日残り時間を減らしながら生きていく。死に向かって生きていく。

だから今この瞬間がプロジェクトの一環なんだなあ、と。

誠実に生きれば、それは誠実に死に向かっていくことになり、その誠実さが誠実な人を呼び、誠実なサポートを受けられて、誠実にその時を迎えられる。

そうなったらいいなあ!
誠実に死んでいくために、誠実に生きようと思います。


この映画、カメラが荒い、というか若々しい、というか、めちゃ揺れる。狭いところをぐりぐりっと入っていくようなシーンも多い。
介護のシーンも容赦なくて、下半身にぼかしが入ってたりする…

でも、こんな風にカメラが入っていけるということは、ご家族(あるいはご家族が信頼している医療チーム)との関係性がきちんと構築されているからだな、と思いました。

大阪ではシアターセブンで公開中。

ゆとりらYOGA

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