「アヴァドゥータの 24 の教師」の物語

先日、ヨーガ・ニケタンの同期4人で久しぶりにゆっくり会いました。

普段は、皆それぞれ忙しいのですが、今のような状況で少し時間ができたので、すぐに日時が決まり、近況報告をしあいました。

卒業してから10年ほど経つので、皆いろいろな活動をしていて、すごく刺激受けました!
私は先月のインド修行と、それから、今のコロナウィルス騒動から連想したこととして、聖典の「アヴァドゥータの 24 の教師」の話を話題にしました。
その時はうろ覚えで「ウパニシャッドの中のどれかにあったお話だよ」なんて言ってたのですが…

翌朝起きてから、なんかもやもやする…昨日の24の教師の話ってホントにウパニシャッドだったか~?と、本をひっくり返してみたら…そうではなく…

「シュリーマッド・バーガヴァタム」の中のお話でした!

このお話は、アヴァドゥータという清廉で賢明な若い修行僧が、ヤドゥという王様から、

あなたは、まさにエゴの意識から離れておられます。どうか教えてください。どのようにして、そのような偉大な英知を得て、子どものように何の心配もなく、地の面(おもて)をさすらっておられるのかを

と乞われ、自分には両親や、マントラを授けてくれた師以外に、24人の教師がいます、と答えます。


アドヴァータがあげたその24人とは
大地、空気(風)、空間、水、火(←これらは地球を作っている五大元素)、月、太陽、海、ガ、ハチ、クモ、ブラフマラ・キータ(虫の一 種)、魚、ハト、ミサゴ(タカの一種)、 ヘビ、ニシキヘビ、ゾウ、シカ、娼婦 ピンガラー、子供、乙女、ハチミツ業 者、矢師(矢を作る職人)
で、それぞれが、そのキャラクターというか特徴から、アドヴァータの教師(または反面教師)になってる…という内容。

この24人の中には、ヘビが2種いたり、大自然や野生動物と職業が並んでいたりと、バラエティー色豊かなのですが、1人1人がその背中で伝えてくれる教えがとても興味深いのです。

例えばハトは、平和の象徴というイメージもあり、競わず争わず生きることを教えてくれたのかと思いきや…

あるとき一羽のハトが、妻とともに枝の上の巣に住んでいました。彼らは互いに愛し合い、大変仲むつまじく暮らしていました。やがてひな鳥が生まれ、その幸福な夫婦はひなたちを大切に育てました。ところがある日、彼らがえさを探しに出かけたとき、ひなたちは野鳥狩りのわなに捕らわれてしまいました。夫婦が戻ってきたとき、母バトは悲しみに我を忘れ、死ぬと知りながらも自らわなに入ってしまいました。哀れな父バトもまた、家族の不幸に全く思慮を失い、一気に同じわなへと飛び込み、そして殺されてしまいました。


…なんという悲劇。

このハト夫婦は、子どもや家族に執着するあまり、悲しみを制御できずに結局全員が命を失ってしまいます。
こだわりや執着に翻弄される怖さを、ハトが、一般的なイメージの裏面で教えてくれたということですね。

こんなふうに24人の先生の教えが続きます。

改めて読むと、とても面白い。

そうそう、この話題を出したのは、今の新型コロナウィルスも、見方によっては私達に何かを教えてくれてるのではないかと思ったからです。

今までも地震や津波や台風やあれやこれやで、その度に自然の驚異に打ちのめされて、でも被災した人以外は対岸の火事状態だったわけですけど。

そこで今回のこの騒ぎ…しかも目に見えない状態でじわじわと侵食してくる…放射能とは違うけど、この目に見えない恐怖は共通するものがあるんじゃないでしょうか。

いろんなことが大きくぐらつき、人間の力では抑えきれないものがあるという事実が、世界規模で再確認されています。

そのことを、腹を括って認めて、じゃあそこからどう生きていくか。
惑わされず、屈せず、でも調和しながら生きていくために、どうするか。

踏ん張り時ですね!

波打つ心に、インド聖典はとてもよく効きます。

ゆとりらYOGA

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