「はりぼて」(映画感想)
富山県の小さなテレビ局が地方政治の不正に挑み、報道によって人間の狡猾さと滑稽さを浮き彫りにする様子を描いたドキュメンタリー。市議14人をドミノ辞職に追い込んだ「政務活動費を巡る調査報道」で日本記者クラブ特別賞などを受賞した富山のローカル局チューリップテレビが、その後3年間にわたって取材を重ね、テレビ番組放送後の議会のさらなる腐敗と議員たちの開き直りともいえる姿を追う。2016年、チューリップテレビのスクープ報道により、「富山市議会のドン」といわれる自民党重鎮の不正が発覚した。これを皮切りに議員たちの不正が次々と判明し、半年間で14人もの議員が辞職する事態に。富山市議会はその反省をもとに厳しい条例を制定するが、3年半が経過した2020年には、議員たちは不正が発覚しても辞職せず居座るようになっていた。そんな議員たちを取材し、政治家の非常識な姿や滑稽さを目の当たりにしていく記者たちだったが……。(「映画.com」より)
東海テレビ制作の「さよならテレビ」みたいな感じかな、と思いましたが、
コンセプトは似てると思います。
こちらの「はりぼて」は、事の発端は富山市議会の不正。国政だったらあり得ないドミノ辞職…その編集がとにかく面白い!
白髪頭、黒々と染めた頭、薄毛の頭のお詫び映像が次々と矢継ぎ早に映し出されて、その合間には、土下座や泣き声も(。>ㅅ<。)
何十年も市議会議員としてやりたい放題やっていたおじさんやおじいちゃんが、ポッケナイナイ(って今使いませんか?)したのがバレて、泣きながら謝ってしょんぼり去って行く…それがじゃんじゃん続く…ドラマじゃなくて現実…
(ちなみに今、「ポッケナイナイ」を検索したら、予測変換で「ポッケナイナイ 安倍」って出たんですけどww!!)
閑話休題。
カラ出張やカラ印刷費の領収書を出して、政務活動費を飲み代に使い、それがバレると失踪する議員、だまーって目だけが泳ぐ議員、居直る議員(「だってみんなやってるよ」「あんた達が騒ぎすぎるんだよ!」)という具合に、人間性がモロ出ます。
追い詰められた時に人は本性が出る。
それを地元のチューリップテレビのカメラはじっくり見せてくれます!
もう中盤からマスクの下でにやにや、くつくつ…いかにも~な編集と音楽にこらえ切れなくなって声をあげて笑ってしまうシーンも!
でも観終わった後、ぞぞっ…とうすら寒くなりました。
自分の住んでるところの市政はここまでひどくない、と言い切れるか?
そもそも、地元の行政に興味を持っているか?
この組織の地獄絵図は、政治だけではなくて、集団の中ではどこでも起こりえることではないか?
(政治家は税金使って不正するからタチが悪いんだけど、税金でなくても不正(←そこでのルール違反)はダメだよね)
バレなきゃこれくらいやってもいいだろう精神は、どんなふうに肥大していってしまうのか?
誰もが誘惑に負けて流されてしまう可能性をちゃんと考えたい。
聖書にもありますよね。
「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」と。
とはいえ、
この映画に出てくる議員さんは、刑事告発されたけど結局不起訴になった人、現在も裁判中の人もいて、その人たちはまだ現役の市議会議員です!
いろいろすごい…。
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