「メイキング・オブ・モータウン」(映画感想)
少し前に「真夏の夜のジャズ」を観たので、その流れでただいま上映中のこれも観てきました(「真夏の~」についてはまた後日書きたいです)。
創設者ベリー・ゴーディが初めて自身への密着を許可したドキュメンタリー映画にして、モータウンが映画ビジネスに参入すべくLAに本社を移すまでの歴史や名曲誕生秘話を、親友であり戦友のスモーキー・ロビンソンと旧交を温めながら説き明かしていく。関係者やスティーヴィー・ワンダー等の所属アーティストの回想や証言も交えた貴重なエピソードと映像の数々。これはベリー・ゴーディが語る創業一代記であり、20世紀に最も影響力を持った独立レーベルの正史である。また、ベリー・ゴーディは昨年89歳で引退することも発表し、本作がモータウン在職中に密着した最初で最期の作品。(「cinemacafe.net」より)
モータウンサウンドについては、私はスティーヴィー・ワンダーとM.ジャクソンの曲くらいしか知らなくて、何だかふんわり、R&Bっぽいやつだよね、的な認識しかないんですが。
なので、映画や音楽そのものの感想よりも、自分の中での気づきについて書きます。
えーっと、モータウンレコードのことは、主に西寺郷太氏の本やラジオで知りました。
彼(ジャクソン5)がデビューしたレーベルだということ。
それから、ある時期まで、社長のベリー・ゴーディのプロデュースの元でアイドルだったのに、そこから方向性の違いで確執が起こり、社長の制裁が…という、まんまジャ〇ーズ的な歴史を知りました。
なので、このドキュメンタリー映画の主人公であるはどんな大悪党なんだよ、と思っていたら…
このドキュメンタリー映画の主人公であるベリー・ゴーディとその盟友のスモーキー・ロビンソン、2人とも90歳”と80歳!のご老人なんですが、めっちゃ元気でチャーミング!頭も口跡もシャキシャキしてて、チョイ悪と子供っぽさと2人のいちゃいちゃ感の絶妙なバランスが素晴らしい。
そしてそんな彼らの間に挟まれるモータウンサウンドがこれまた素晴らしくて、おまけにスティーヴィー・ワンダーが11歳の時(声変わり前!)のステージの映像や、ジャクソン5のオーディション風景とかもばっちり見せてくれるので、めっちゃすごいわ~モータウンレコード!ってなるんですが…
これはベリー・ゴーディ公認の映画なので、かなりプロモーション作品的な要素が強い作品。
ここで描かれる、アーティストや社員を家族のように大事にして、みんなで助け合いながら良い作品を作る、というベリー・ゴーディと、彼らを企業側に有利な契約条件で縛りつけ、何人もの将来を奪ったとされるベリー・ゴーディは同じ人物なのだ、と思うと、ホント、人を善人とか悪人とか簡単に分けちゃいけないな…とつくづく思います。
どんな人物でも事象でも、同じものをどちら側から見るかで、印象はまるで違う。
その印象を単純に良し悪しで記憶にとどめてはいけないのだ、と思います。
どんな事象を見ても、あるがままに受け止める、ということの難しさも感じます。
あるがまま、ということは、その事象に自分の感情を付け加えない、ということで、そんなこと可能なのか、とも思うのですが。
今自分の眼に映ったものは、この事象の一部分に過ぎない、ということを常に意識することから始まるのかな。
映画は音楽満載でとっても楽しかったのですが、そんなことを考えてしまいましたよ。
でも、スプリームス時代のダイアナ・ロスは細身でめちゃくちゃ可愛かった!
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