「スタンド・バイ・ミー」(金ロー映画感想)

なぜこの時期にTVで「スタンド・バイ・ミー」?って思ったら、今年は公開35年という節目の年らしいです。

私は封切当時、新宿東映パラス(多分、今の新宿バルト9だと思う…)で観ました。

少年4人がとても印象的だったけど、最初と最後にR.ドレイファスが出てて、あ、ジョーズや未知との遭遇の人!って思ったのを覚えてます。

金曜ロードショーで映画観るなんてほぼ初めて。吹替版も初めて。

忘れちゃってるシーンも新たに気づいたシーンも沢山ありました。


当時はこの作品でリヴァー・フェニックスが大人気になったんですが、この頃のハリウッド映画って所謂「子役ブーム」で、テディ役のコリー・フェルドマンは「グーニーズ」「グレムリン」にも出てて、おなじみ感が凄かった。

それでやっぱり今観ると、コリー・フェルドマン、うまい!って思います。彼だけじゃなくて、あとの3人もとても嵌ってて、子役というより俳優という感じ。煙草の似合っぷりとじゃれ合う時の可愛らしさの融合が…自然過ぎ!


映画館で観た当時は、背伸びする4人の少年達の成長譚、という捉え方だけで、あとは何というか…恵まれない家庭環境の子達はこうならざるを得ないのかなあ、とか、それにしても男子は12歳で外泊許可してもらえて良いなあ、とか、そんな感想だったんですが。


今回観て、個々人の出自や生育歴のハードさがえぐい…

12歳で諦観と希望の両方を持ち続ける覚悟が必要で、そしてその厳しい経験の傍に仲間がいるという救済…!

闇に落とされるのも、光を見るのも、環境が大きな要因だと思うのだけれど、全部を取り払った時に自分の真ん中にあるのは善だという事を、リヴァー・フェニックス(クリス)とウィル・ウィートン(ゴーディ)が夜に語り合うシーンは教えてくれます。


テディの父親が息子を虐待している(テディの耳をストーブで焼いた)という親子関係も、初見の時はよくわからなかった。ノルマンディー上陸作戦の兵士で、帰還後精神を病んでしまったと知って、テディが父親を誇りに思っている、例え虐待を受けても、それは父の本当の姿ではないと知っているから、ということが分かりました。

ゴーディの両親もまた、心に大きな傷を負っていて、感受性の豊かなゴーディは現実と悪夢の区別がつかなくなるほどの傷を受けている・・・。

35年経って観る今、自分は母親になっているので、この親達のトラウマや、その症状がぶつけられた子どもの悲劇を思ってしまいました。

子どもにこんな仕打ちは酷い、と思うけど、親や周りの大人があたる先はやはり身近な弱者なのだ、という現実。


めちゃくちゃ感情が揺さぶられて、1つ1つのトピックスが粒だっている作品なのに、88分と短いのに驚きました。こんな中に主人公4人の家族背景やそれぞれの個性、過去と未来までぎゅっと入ってる。

特にゴーディの作家としての才能が発揮される、ブルーベリーパイ大食い大会のシーン!初見時は気持ち悪い、汚い、男子の与太話ってなんでこうなん…としか思わなかったけど、今観ると、ゴーディーの創造力すごっ、となりました。12歳であんなお話作れるんなら、作家になれたのも納得。


リヴァー・フェニックスの未完の遺作「ダーク・ブラッド」。これも公開時に劇場で観ました。今調べたらもう7年前。当時は没後20年の節目だったようです。

23歳のリヴァーは、汗まみれ埃まみれの役でしたが、やっぱり光り輝いてました。

でもストーリーとしては、自分の奥さんがリヴァーに魅かれていくのを見てるしかない、ジョナサン・プライスの情けなさが際立ってました…完成していたら印象が違うかもしれないけど。

魅力的な若者に負ける中年男の悲哀がね…「スタンド~」は真逆の、未来のない辛さ。

ゆとりらYOGA

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