「寂しい生活」感想
最近読んだ新刊本。
著者は元朝日新聞記者で、今はフリーランス。
東日本大震災を機に、それまでの物質中心の生活を見直して、現在は電気代150円!ガスは未契約!服は10着!というアナザーワールドに突入した渾身ルポです。
前作の「魂の退社」から読みたかったんだけど、図書館の予約状況みたら何十人待ちかで・・・新刊のこちらかが先に来ました。
とにかく、家電をばさばさと処分していく様がすごい。
掃除機や電子レンジを捨て、エアコンを捨て、冷蔵庫を捨てる!それでも知恵と工夫でなんとかやっていける!
いや、実際には相当な試練だと思うんだけど、著者は自身を治験者(?)にして、まるで修行僧のような生活に挑む!
自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の手足でやってみるということ。もしやそのことを、今の世の中は「不便」と呼んでいるんじゃないだろうか。
だとすれば、不便って「生きる」ってことです。
だとすれば、便利ってもしや「死んでる」ってことだったのかもしれない。
(P73 2 捨てること=資源発掘?)
我々が本当に恐れるべきなのは、収入が減ることよりも何よりも、自分自身の欲そのものである。暴走し、もはや自分でもコントロールできなくなったぼんやりとした欲望。
そこから脱出するために必要なのは、何よりもその欲の正体を見つめることだ。自分はどうしたら本当に満足できるのか、そこを見つめることだ。冷蔵庫があるからといって野放図食品を買いあさり、挙げ句にその存在さえ把握できなくなっていることが、本当の自分の満足につながっているのかをきちんと考えなければならない。
(P146 4 冷蔵庫をなくすという革命)
それまで私はずっと、自由とはお金をたくさん手に入れて好きなものを手に入れることだと思っていた。でも本当の自由って、もしかしてそんなもんじゃなかったんじゃないか?
「何かを手に入れなければ幸せになれない」という思い込みは、振り返ってみれば自由どころか不安と不満の源泉であった。なぜなら何かを手に入れてもすぐに次の「欲しいもの」が現われるからだ。いつまで経ってもゴールはない。
本当の自由とは、その思い込みを脱すること、すなわち「なくてもやっていける」自分を発見すること。もう何も追いかけなくていいんだと知ること。それこそが自由だったんじゃないか。
(P229 6 で、家電とはなんだったのか)
「自由」がお金では買えないって概念は、頭では解っていても、心の底から理解することは難しいと思っています。実際お金があることで可能性が広がるということはあるわけだし。
でも、「あるときはあるように ないときはないように」(←私の座右の銘)って、この人が言うように「なくてもやっていける」自分を発見する・・・ということは、なくてもやっていける自分を信じる、そのことが自由であり幸せである自分に繋がるのだと思います。
お金はあったら便利ではある。一時的楽しみは手に入る。でも幸せは買えないからね。
YOGAや霊性に関わるような記述は全然ないけど、これは相当スピリチュアルな本だと思います。でも文体はカジュアルで面白く読めます!おすすめ y(^ー^)y
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