「テレビで会えない芸人」(映画感想)

鹿児島のテレビ局が製作したドキュメンタリー映画。

芸人、松元ヒロのことは、ザ・ニュースペーパーを脱退した時や、立川流の落語家さん達とライブをやってることくらいはうっすら知ってましたが、その舞台を見たことはありません。

このドキュメンタリーで、生前の永六輔や立川談志から、その芸を賞賛されていたと知り、才気走った破滅型のキャラかと思ってたら…笑顔がふんわり柔らかくて何とも可愛らしい!

自民党政権を茶化したり、「君が代」の歌詞をアメリカ国歌やアメイジング・グレイスのメロディーにのせて歌ったり、ニコニコしながら舌鋒鋭く世相を斬るスタイル。スタンダップコメディというのかな。

あとは人情噺・・・この映画の中では、書籍「こんな夜更けにバナナかよ」の紹介ネタが演じられていました。

基本、ネタ作りも演出も1人でやっているみたいで、最終稽古をスタッフに見て貰っている時うまくいかず煩悶しているシーンがあり、すっごいヘビーなことやってる…と、観てて唖然としました。

69歳!舞台には1人!作・演出・出演全部自分!

映画の構成は「政治や思想ネタを扱うが故にテレビに出ることが出来ない芸人」であることを前面に押し出してますが、私は、完全オリジナルな形の芸を1人で作り上げて演じて、そのライブが常に満員になるという、その現象がすごいなあ、と。

ドリフターズの見習い、としてTVに出ていた、すわ親治が、松元ヒロと同じ年で高校生の時からの付き合いと知りました。ブルース・リーの物まねとか、孫空の人形劇で馬の役やってたなあ、自分は小学生だった…なんて思い出すと、この2人のキャリアってめちゃめちゃ長い!凄い!(調べたら志村けんの2歳下)

ザ・ニュースペーパーでも一緒に活動したけど、テレビ局から政治ネタに口を挟まれることに嫌気がさして2人とも脱退して、それぞれソロ活動に進んだそうです。無頼派!

視覚障碍者の女性に声をかけて道案内をしたり、奥さんや息子さんの前で寛いだ笑顔になったり、と、温厚で優しいおじさんに見えるんだけど、舞台では「黙ってられない、言わずにおれない」というある種の「アジ魂」みたいなものが一気に立ち昇る感じ。

そこに邪なものが感じられないところ、まっすぐな気持ちだけがこちらに届くところが感動的でした。

終盤の、憲法を守る集会で披露された「憲法くん」というネタ、本や映画化もされた有名な作品らしいです。憲法前文を朗々と謳いあげて両手を挙げる姿に思わず拍手してしまった。

いつか生で観たい!

ゆとりらYOGA

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