「ランガスタラム」(映画感想)
「RRR」のラーム・チャラン主演作品。2018年製作なので「RRR」よりも前ですね。
日本で人気が出たので過去作やってくれて有難い!
とはいっても、「RRR」のラーマのようなクールで気高いキャラではまったくなくて。
低いカーストで、聴力に障害があって、純粋だけど飲んだくれの荒くれ者…という、山下清と寅さんを混ぜたようなキャラ設定。
予告編では、貧しくても逞しく生きる家族の愛の物語!かと思ったんですが…
いやいやいやいや!
後半全然違う話💦
こわいこわいこわい😱😱
ラスト10分サスペンスじゃん!🥵🥵🥵
正直「RRR」の面白さに比べると「う~~~ん…」というシーンも多く、何よりラーム・チャランがはまっているかというと、そうでもない…という…🙀
田舎の無学なあんちゃん役には彼は美しすぎる気がしました。
むしろ彼のお兄さん役の人がヒーローっぽい場面が中盤続き、このまま熱くて感動的なお話の方が良いなあ、と思ったり。
とにかくラストにバタバタっと転換される感がすごかった(終わってみれば伏線はそっこかしこにあったのですが!)
ですが、テルグ語圏の田舎(インド東南部らしい)ってこんな感じなのか~とか、これ1980年代の設定なんですが、差別や搾取の酷さとか、画面からいろんな思いをもらいました。
インドの大作映画でよく見る「悪役がなぜか大掛かりなプージャ(礼拝儀式)を真面目に行う」シーンに、いつも何となく違和感を感じていたんですが
つい先日学んだバガヴァッド・ギーター第16章15節で、自分なりに分かった気が。
aḍhyo 'bhijanavān asmi ko 'nyo 'sti sadṛśo mayā /
yakṣye dāsyāmi modiṣya ity ajñānavimohitāḥ // 16-15
訳)さらに彼等は「俺は金持ちで家柄が良く、俺以上の者は他にはおるまい。また俺は神々や祖霊に供養したり、人々に金や物を与えたりして喜びたいのだ」などと言って、無知なるが故の妄想を抱いている。
一言で言うと「偽善」というやつ?
供養や礼拝は自分の(歪んだ)喜びであって、神や先祖への尊敬ではないということか…。周りを、おお~っ!と言わせるためにとんでもなく大きなお葬式を出す家みたいなもんでしょう(昔の田舎はそんな人多かったデス)。
…などという風に、インド映画を観ると、ちょっとしたシーンに聖典や神話からの影響を感じて、それだけで楽しいです。単純に、いきなり投下されるミュージカルシーンも面白いし!
色々書いたけど、「ランガスタラム」面白かったですよ。ラーム・チャランがほぼ出ずっぱりなのでお好きな方はぜひ!
P.S…今気づいたのですが、この作品でのラーム・チャランは「エンジニア」(と言っているけど、干ばつの畑に放水するモーターを操作する仕事)で、「水」を扱っています。
「RRR」では、常に「火」を背中にしょって大暴れして、パートナーのビーマが「水」担当。どちらも人間が生きていくのに大切なエレメント。
インド映画のモチーフのでかさを改めて感じました!
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