映画「新聞記者」を観ました。

ネット上ではかなり話題になって静かにヒットしている映画『新聞記者』。

観てきました。

「怪しい彼女」などで知られる韓国の演技派女優シム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演を務める社会派サスペンス。東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描き出す。東都新聞の記者・吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺をしてしまう。真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。そんな2人の人生が交差し、ある事実が明らかになる。監督は「デイアンドナイト」の藤井道人。（映画,comより）

むちゃくちゃリアル。総理大臣の姿が一切出てこないところがまたリアル。後半はぐっとサスペンスフルな展開になるんだけどそこもリアル。

キャストが皆すごく良かったです。主人公の女性記者役は韓国人の人でしたが、帰国子女という設定で、日本語が少しだけ拙い感じがまたリアルで。

リアル、って思うのは、例の新大学設置とか、総理御用達のジャーナリストのレイプ疑惑もみ消しとか、ちょっと前まで新聞やTVを賑わしていた事件が出てくるから。

そして、なんでこんなことが可能なのか、なんで真実が明らかにならないのか、という問いの答えが、この作品を観ることで割とはっきり見えてくる気がするからです。

大きな物話を、少ない登場人物にぐぐっと凝縮させることで、すごく感情移入しやすい作りになっていると思います。
全編静かで、エモーショナルなシーンがあまりないんだけど、画面から、殺気みたいなのが立ち上る感じ…
「内調」のオフィスの暗さと青さ、とか…怖かった！

フィクションとノンフィクションの狭間の、ギリッギリのところをすり抜けながら描かれてる…それなのに観ている側は現実（今の内閣）を思い出さずにはいられない。

こんな作品よく作れたなあ、関係者大丈夫なんかなあ…と思ってしまうこと自体が恐ろしい事なんですよね。

こんな中で私たちは生きている。

ひっそり静かにヒット中なので、ロングランになるかも。