映画「ストーリー・オブ・マイ・ライフ~わたしの若草物語」を観ました
自粛明け最初の劇場鑑賞は「ストーリー・オブ・マイ・ライフ~わたしの若草物語」。
若草物語をフィーチャーした現代劇なんかな?と思ったら、原作にかなり忠実なストーリーでした。ただ、すごく凝った構成で、けっこうめまぐるしく「行ったり来たり」します。斬新!
若草物語…小学生の頃よく読んだけど、特に大好きなお話というわけではなかった。
何というか、随所に説教臭さを感じたんだと思います。4人4様に失敗からきちんと学ぶところがちょっと(。>ㅅ<。)
あと、ジョーとエイミーの喧嘩が幼心に激しすぎる気がして(原稿焼いちゃうとか酷すぎないか)いろいろあるけどやっぱり仲良し家族、みたいな帰結は強引なんじゃないか、外人ってそんなにさばさばしてんの?と思っていたのかも。
そして実は、この映画も随所に説教がちりばめられてますよ!大変にクラシカルな、年長者が若者に言い聞かせる分かりやすいシーンが(-ω-;)
…と、ここまで書いて、原作読み返したいなあ、と思って、だけど持っていた新潮文庫が何故か見つからなくて、図書館で借りるか古本買うか~と思いながらメルカリ巡りしてたら
なんと小学生の時読んでいた、岩崎書店の世界少女名作シリーズを発見!!
こ、これはっっっっ!と大興奮して即買い。一気に読みました。
懐かしいやら嬉しいやら。40年ぶりにこの訳読んだ!
そして、今の自分がこういった本達で作られている…と改めて気づきました。
ベスはなにもいわないで、あんでいた青い軍隊くつしたで、そっとなみだをふきました。そして、いま一番手近にある仕事をいっしょうけんめいにやろうと思いました。(P19)
自分につとめがあたえられ
日々はたらくわたしはしあわせです
健康と、力と、希望にみちて
心がたのしくいうことばは
―頭よ、思え、心よ、感ぜよ
そしてこの手よ、つねにはたらけ(P153)
※これはジョーが戦地のお父さんに贈るために書いた詩の一部
「くやしくなったり、かなしくなったりしたときに、心をしずめる場所をもっていることは、ほんとうによいことですよ。ここへくることは、おかあさんはだいさんせいです。わたしたちが生きていくあいだには、それはそれは、苦しいときがたくさんありますよ。でも、しずかに祈れば、きっとがまんができてそれをのりこえていくことができるのです。あなたも、そろそろ、そういうことがわかってきたのでしょうね」(P187)
みんなの心はよろこびにあふれていました。すぎた日の苦しみをすっかりあらいながして、いまのうれしさだけをしみじみと、身に感じているのでした。(P196)
幼い頃の自分は、多分こういう描写を「説教臭い」と思っていたんでしょうけど、再読すると、50歳を過ぎた今、こうありたいといつも思っていることがそのまま書いてある、と驚きます。
そして、今回の映画で「説教臭い」と感じた部分は、実は原作にはそんなに粒立てて描かれてはいない。これは翻訳段階でそうなのか、それとも…映画と原作を比較する楽しさってあるよね!
勿論、他にも、クリスマスのごちそう美味しそう、って思ったり、ベスとローレンスのおじいさまの交流(三色すみれの刺繍をしたうわばき!)エピも覚えていたので、やっぱり読書体験としては大きかったんだなあ。
当時は、ジョーを見ていても、新しい女性の生き方、なんて視点は全然なかったけど、
今回の映画は、女性の精神的自立(かつ経済的自活)の難しさと大切さをしっかり描いていると思います。
自活しない道を選んだメグは、環境ではなく自身の内面に苦しめられる(これは原作でもそうですね)。
というか、内面が安定していて、その上夭折してしまうベス以外は、みんな物凄い葛藤を抱えて生きていきます。
共感できる部分もあれば、そうでないところもある。
今回は、甘えん坊な末っ子のエイミーがとても深く描かれていて、慣習と夢と諦観の中で藻掻く様子がとても切なかった。
キャストが素晴らしすぎて、特にティモシー・シャラメは何周も回って美しすぎて逆にローリーには見えない、という欠点も…四姉妹より麗人なのはちょっと(о´∀`о)
なんだかんだ言いましたが、結局すごく良かった!堪能しました。
映像がとても美しくて、姉妹とローリーがじゃれ合う姿も泣けちゃうくらい愛らしくて。
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