映画「タゴール・ソングス」を観ました
先日の「精神0」に続いて、同じ第七藝術劇場(通称ナナゲイ)でドキュメンタリー作品「タゴール・ソングス」を観てきました。
非西欧圏で初めてノーベル文学賞を受賞したインドの詩人ラビンドラナート・タゴールが作り上げた作品の魅力に迫った音楽ドキュメンタリー。イギリス植民地時代のインドを生きたタゴールは、詩だけでなく2000曲以上の歌を作り、「タゴール・ソング」と総称されるその歌は100年以上の時を超え、今でもベンガルの人びとに愛されている。タゴールの歌はなぜベンガル人の心をひきつけてやまないのか。インド、バングラデシュを旅しながら、タゴール・ソングの魅力を掘り起こしていく。監督は本作が初作品となる佐々木美佳。(「映画.com」より)
カメラは、コルカタ、バングラデシュの首都ダッカ、旧・タゴール邸があるシライドホを行ったり来たりして、各地でタゴールの作品に魅せられた人を追います。
後半には、1人のインド人の女子大生が東京までやってくる一種のロードムービーのような展開も。
それぞれの場面でスポットが当たる人達だけじゃなく、普通の、道端やお祭りでカメラを向けられた、市井の人達のタゴール・ソングが凄く素敵。小さな男の子も澄んだ声でとても上手に歌う。
歌うという行為が恥ずかしいとか、もっと上手に、とかいう意識が邪魔をしないんじゃないかなあ、羨ましいなあ、と思いました。
そして映画に出てくるタゴールの歌の詞は、どれもとても美しくて崇高。
上映後、パンフ見本を見たら、歌詞も含めたシナリオが全部採録されていて、これは!と即購入。
私は、タゴールのことは、敬愛するシュリ・ラーマクリシュナや、その弟子のスワミ・ヴィヴェーカーナンダと親交があった人、インドで尊敬されている詩人、というくらいのことしか知らなくて…でもこの人は、小説家でもあり作詞家、作曲家でもあり、思想家で社会運動家で画家でもあったそうです。すごすぎ(@_@;)
岩波文庫のタゴール詩集も図書館で借りて読んでいますが…この詩集「ギーターンジャリ」は、ベンガル語の詩と、タゴール自らが英訳した詩(というか散文)が収録されています。
文語体の詩が本当に格調高くて、目で追っているだけで心が浄らかになるような、そんな文章です。
訳は渡辺輝宏氏で、この方は、「神の詩 バガヴァッド・ギーター」や「不滅の言葉(コタムリト)」の訳をされた田中嫺玉氏の師匠にあたられるようで、この映画のおかげで、自分の中でやっとたどり着いた!という気持ち。
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