「Bright Lights」(TVドキュメンタリー感想)

「ブライト・ライツ:キャリー・フィッシャーとデビー・レイノルズ」(字幕版)

最近起きたキャリー・フィッシャーとデビー・レイノルズの突然死を踏まえたこのHBOドキュメンタリー・フィルム作品は、その風変わりな一面も含めたハリウッドスターたちの素顔を見せる。昔のきらめくハリウッドを生き返らせる年代物の家族映画と膨大な量のベリテ映像を中心に、アレクシス・ブルームとフィシャー・スティーブンズが監督指揮。(Amazon Primeより)


娘のキャリー・フィッシャーは「スター・ウォーズ」のレイア姫、母のデビー・レイノルズは「雨に唄えば」でジーン・ケリーの相手役、とどちらもハリウッドのスターなんですが、よりスター然としていて輝いていたのはやっぱり母親の方(出演作の数が違うし、女優としてのイメージも全然違う…)。

2016年の年末に、娘のキャリーが急死して、母デビーはその報告を受けたショックで翌日死亡…という大変痛ましい最期を迎えた母娘。

そして、彼女たちの外にも、何というのか…誰も悪くないんだけど、時代とかメディアに翻弄されて、結局、自分を堕としてしまった人達の悲哀があちこちに散らばっていて。

例えば、キャリーの実の父、エディ・フィッシャーの最晩年の姿が、単なる老化ではなく、廃人に近い風貌になっており、その変わりように驚きました。

若い頃からの覚せい剤中毒から回復できなかったようです。

(ちなみに娘のキャリーも死亡時、体内に薬物が検出されたそうで、やはり長年の薬物依存症だったらしい)

母親のデビーは、ずーっとハリウッドでは第一線で、中年以降もちょいちょい映画に出てたし、ラスベガスでショーに出たりもしてたみたい。同年代の観客が泣いて喜んでるシーンもあって、このドキュメンタリーでも、自分が撮影されていることをきっちりと意識して、きちんと「愛されるデビー」を演じているのが、娘と違うところ…(だからこそ、そのきっちりした振る舞いが一瞬綻ぶところに「おおっ!」と思うんだけど)。

キャリーは50歳を過ぎて、母を保護している気持ちと甘え縋っている気持ちがないまぜになっている様子が言動からにじみ出ている。母のような、愛される映画スターになれなかった挫折感もあるように思える…母のデビーは、キャリーをいつまでも小さな女の子のように思い、守ってやらなければ、と思っているけど、実際にはキャリーのサポートがなければ歩くのも困難…

この映画を観ると、共依存しながら生きてきた2人の関係がよく分かる。

母は年をとっても若い頃と同じつもりでいる、私たちが何を言ってもダメ、とキャリーと弟のトッドはコメントしています。

このドキュメンタリーの撮影に同意するまでのプロセスもいろいろあっただろうな、と思わされます。

映像の仕事がなくなった母のために、こういう企画を受けたのかもしれないし、デビー本人が、「作品」だけではなく、素の姿を記録しておいてもらいたい、という気持ちがあったのかもしれないし、単にお金の問題かもしれない。

結果、ものすごく複雑に絡み合った親子関係の縺れを延々1時間半映し出す映画になっています。

でも重たいだけじゃなく、1950年代~のアメリカ映画が好きな方には、嬉しい映像も沢山出てくるのでおすすめ!

あと、キャリー・フィッシャーがめっちゃ口悪くて下品キャラなのでそれも笑えます。
母娘とももういないと思うと悲しいけど˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚

やっぱり名作↑

ゆとりらYOGA

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